ゴルフ場をまとめる支配人の仕事って?必要なスキルは?様々な疑問にお答え!
ゴルフ場を訪れる人が、ゴルフプレーを存分に楽しみ充実した一日を過ごせるのは、ひとえにゴルフ場の支配人の手腕が良いからだといわれています。
しかしめったに顔を合わせないゴルフ場支配人。日頃は一体どんな仕事をしているのでしょう?また、ゴルフ場支配人になるには、どんな経験が必要なの?と分からないこともたくさんありますよね。
そこでこの記事では、ゴルフ場支配人の日常を徹底解剖。日常業務の詳細はもちろん、ゴルフ場支配人の仕事の辛い一面まで、すべてご紹介します。
ゴルフ場支配人とは?
そもそもゴルフ場支配人とは、ゴルフ場にとってどんな存在なのでしょうか?
ゴルフ場の運営を任された「番頭」
ゴルフ場支配人は、簡単にいえば現場を統括する人物で、あらゆる決定権を持っています。そしてゴルフ場の営業利益をしっかり管理するのもゴルフ場支配人の務めです。
ゴルフ場が問題なく営業できるよう、ゴルフ場支配人はいつも周りに気を配っています。例えば、キャディや従業員の指導もゴルフ場支配人が担当することも。
ゴルフ場支配人の「どんなゴルフ場に成長していきたいか」という考えに沿って従業員が動くので、言うなればゴルフ場の運営を任された番頭と言えるでしょう。
ゴルフ場支配人の主な仕事内容
ここではゴルフ場支配人の仕事内容を一例を通して詳しく見てみましょう。
1日の仕事
06:00
最初のお客様がスタートする1時間前に出勤します。出勤したらクラブハウスの内外をチェックして、何も問題がないことを確認します。
07:00
玄関に立ってお客様をお迎えします。最低でも1時間は立ち続けるそうです。
10:00
朝礼を行います。支配人と従業員が顔を合わせる貴重な時間が朝礼です。この場で従業員から信頼を得られるよう、一日の始まりに士気が上がるよう従業員を鼓舞したり悩みがある従業員の相談に乗ったりします。
10:30
営業のミーティングを行います。主な打ち合わせ内容は、当日のお客様の人数、コンペ状況や予約状況などの確認です。この場で、集客の対策についても話し合います。
集客対策とは、具体的には「稼働率を上げるのか」それとも「お客様一人ひとりの満足度を上げるのか」などです。集客対策が上手くいかないと、ゴルフ場の運営に関わるので重要な話し合いと言えます。
11:30
昼休憩に入ります。
12:30
再びクラブハウス内をチェックして、何も問題がないかを確認します。残りの時間はオフィスでデスクワーク。
例えばレストランの運営状況はどうか、キャディはスムーズに接客出来ているかなどを他の従業員と話し合います。現場の従業員との対話を欠かさないことが、円滑なゴルフ場運営には大切です。
15:30
コースを巡回して、目土の様子をみながらコースの状況を確認します。例えばラフは伸びすぎていないか、林の中に邪魔になっている枝はないか、池に枯れ草は浮いていないかなど、コースが見落としている部分をきちんとチェック。時には自らコース管理業務を行うすることもあります。
17:00
オフィスに戻り、明日のスタート表を確認しつつ進行管理や段取りについて検討します。というのもお客様の進行がスムーズに進まないと、他のお客様に迷惑がかかってしまうことも。お客様が円滑にゴルフをプレーできるよう、時にはスタート時間の変更を勧めることもあります。
18:00
退勤です。
そのほかの業務
ゴルフ場支配人は上記のタイムスケジュールの業務以外にも様々な業務を担っています。
ゴルフクラブメンバーの対応
ゴルフクラブメンバーとは会員権を保有しているお客様のこと。つまり大切なお客様にあたるので、失礼のない接客を心がけています。
例えば、
ゴルフクラブメンバーのコンペに参加する
コンペの表彰式で挨拶する
ことも大切な業務です。その他にも、年会費の回収や預託金の返還交渉など、ゴルフクラブメンバーの金銭に関わる業務も、ゴルフ場支配人が行います。
地域のさまざまな会議に参加
ゴルフ場支配人は、日頃のゴルフクラブ内の業務以外に会議に参加することも大切な業務です。
ゴルフ場支配人会
ゴルフ協会の会合
労務系の会合
に出席して、ゴルフ業界に関する情報交換を行います
顧客データの分析
先にも述べた通り、集客対策を考えることはゴルフ場支配人にとって重要な業務の一つです。
そこでゴルフ場の支配人の中には、過去に蓄積された顧客データを駆使して前年比の利用客の増減を見たり、天候によってどれだけ集客が変化するかを分析する方もいます。
そこで、天候によって料金を変えたりなど、具体的な施策に落とし込んでPDCAを回しているのです。
従業員の補填のため現場で働くことも
ゴルフ場支配人は時に従業員の補填のために、自らフロントに立ったり、レストランで配膳をすることもあるのだとか。
また営業職が不在の場合は、自ら外回りの営業も行います。少しでも良いゴルフ場にするために、ゴルフ場支配人は孤軍奮闘しています。
ゴルフ場支配人の現状と未来
ゴルフ場とその支配人をめぐる現状はどのようになっているのでしょうか。あるいは、未来に向けてどのような状況が起こりうるのでしょうか。この章で見てみましょう。
経営を維持するのが難しい
実は日本はゴルフ場の数が世界3位であり、面積の広いカナダやオーストラリアよりも多いです。
ただし、2000年から2022年にかけて、「週1回以上ゴルフを行う人」は減ってきています。そのため経営を維持するのが難しく、支配人としての経営業務は大変であるのが現状です。
参考:
https://www.ssf.or.jp/thinktank/sports_life/data/golf.html
2025年問題
2025年問題とは、団塊の世代が70代を迎えることを示唆した問題提起です。この問題は、ゴルフ場にとっても対岸の火事ではありません。
例えば、香川県にある「高松グランドカントリークラブ」は、県ない唯一36ホールあるゴルフ場として高い人気を誇っていました。しかしコロナ禍の影響で、クラブハウス内のレストランは閉店せざるをえなくなりました。
さらに顧客層が高齢になりゴルフプレー数も減少。ゴルフプレーのみの収益が赤字になり民事再生手続きを目指すことになってしまったのです。
人材確保の必要性
2025年問題は労働人材の減少にも繋がります。現在コース管理などを務めているベテラン社員も続々と定年を迎えているというのが現状です。若手の担い手を早急に採用することが近々の課題になりつつあります。
ゴルフ場支配人に必要なスキル
ゴルフ場の番頭と言える支配人の仕事ですが、一体どんなスキルが必要なのでしょうか
未経験は不可
やはり全くの未経験ではゴルフ場支配人にはなれません。例えば、下記のような経験がある方がゴルフ場支配人の候補者になれます
メンバー管理経験
例えば接客業でメンバーを管理した経験がある場合、ゴルフ場支配人になれる可能性が高まります。
目安は20名程度のメンバーのマネジメントです。例えばバランスよく周囲を見れて、メンバーの機微に敏感だとゴルフ場支配人として重宝されます。
サービス業での従事経験
またはサービス業での接客経験がある場合も、ゴルフ場支配人の候補になりえます。
ゴルフ場勤務経験(支配人に近しい経験)
あるいは既にゴルフ場で副支配人を経験した方は、ゴルフ場支配人にキャリアアップできる確率は高まります。
ホテル(リゾート・シティ)の支配人・副支配人経験
その他にも、同じ接客業としてホテル(リゾートホテルあるいはシティホテル)での支配人や副支配人も、ゴルフ場支配人の即戦力候補になれます。
ゴルフ場支配人に向いている人
上記の経験の他にもこんな特徴がある人はゴルフ場支配人に向いていると言えるでしょう。
コミュニケーション能力の高い方
数多くの従業員を束ねていくのがゴルフ場支配人です。そこで高いコミュニケーションは不可欠なスキルの一つと言えるでしょう。
協調性・チームワークを大切にする方
ゴルフ場支配人として、「ゴルフ場の方針」を従業員にも共感してもらわなければなりません。
しかしゴルフ場支配人がトップダウンで指示を出しても、従業員からの信頼は得られないでしょう。そこで大切なのが、協調性やチームワークです。
困っている従業員がいれば手を差し伸べる、重要員の意見にも耳を傾ける。そんな共感力の高い人こそ、ゴルフ場支配人として活躍できます。
ホスピタリティに自信のある方
ゴルフ場にとって何より大切なのは、お客様に満足してもらうこと。そこで重要なのがホスピタリティーです。例えば、接客業やホテル業で培ったホスピタリティが重宝されます。
「接遇」に自信のある方
ホスピタリティとも共通しますが、いかにお客様をおもてなしできるかが、ゴルフ場支配人にとって大切です。
お客様のお困りごとを察知しすぐ解決しようとする行動力や、ゴルフクラブメンバーの顔と名前を覚える気配りがゴルフ場支配人には必要と言えるでしょう。
ゴルフ場支配人の給与(年収)
ゴルフ場の全てを統括するゴルフ場支配人の給与がどれくらいなのでしょうか
年収
ゴルフ場で働く一般従業員の平均年収はおよそ360万円と言われています。対して支配人は400〜800万程度。
自分が運営するゴルフ場のスタッフの教育や管理に加えて、近隣のゴルフ場との付き合いなど、業務が多岐に渡るため給与は一般従業員よりもやや高めです。。
ゴルフ場支配人になるには?
ゴルフ場の支配人になるには、一体どんな手段があるのでしょうか。
業界で研鑽を積む
最も多いのが、ゴルフ業界で長く働き、知識と研鑽を積み出世することです。
他業界で経営を学ぶ
ゴルフ業界で経験を積むことも手段の一つです。例えば銀行などで経営を学んだ後、ゴルフ場支配人に転職するケースもあります。
ゴルフ場支配人には経営力が不可欠です。その点では、ゴルフ業界以外で経営知識を積んだ人材は重宝されます。
養成セミナーを受講する
それ以外にもPGA(日本プロゴルフ協会)が主催するゴルフ場支配人セミナーを受講するという方法もあります。受講資格は以下のとおりです。
PGA会員である
50歳以下である
合計120時間の講習を受けることで、ゴルフ場支配人になる機会を得られます。
セミナーに関する参考情報:
https://pga.or.jp/0418/%8Ex%94z%90l%97%7B%90%AC%83Z%83~%83i%81%5B%95%E5%8FW%97v%8D%80.pdf
ゴルフ場支配人の辛さ
ゴルフ場支配人はゴルフ場の経営に関われるやりがいの大きい仕事である一方で、大変な面があることも事実です。
ゴルフ場の口コミに一喜一憂
ゴルフ場の評判は、ゴルフ場口コミサイトでチェックできます。そして言わずもがな、低評価をもらうと集客も鈍化します。
そこでいかに評価を上げるか、ゴルフ場支配人は日々試行錯誤しているのです。そして逐一口コミをチェックしては、一喜一憂しているのです。
急な悪天候の対応
ゴルフは自然を相手にするスポーツ。急な大雨や大雪の際に、ゴルフ場をクローズするかどうかを決めるのも支配人の仕事です。
例えば天気予報で大雨や大雪になった際、他の従業員は「今日はオープンするのか、クローズするの」という指示を待っています。
もし悪天候でオープンしてしまえば、お客様が快適にゴルフをプレーできなくなることも。かと言ってクローズしてしまえば、その日の収益はなくなってしまいます。
臨機応変に対応するのは、とても大変なようです。
経営者視点でゴルフに関わりたいなら支配人がおすすめ
ゴルフ場支配人は、責任感もやりがいも大きい仕事です。自分の軽々の手腕を生かして、ゴルフ場の評判を上げ集客力も高まれば、達成感もひとしおでしょう。
難しい仕事とはいえ、経営視点でゴルフに関わりたいという希望を持っているなら、ゴルフ場支配人はぴったりな仕事です。
ゴルフ場支配人のお仕事をお探しならゴルフメドレーワーク
ここまで、ゴルフ場支配人の仕事を紹介してきました。少しでもゴルフ場支配人の仕事に興味が湧いたら、ぜひゴルフメドレーワークをご利用ください。